<第55回目>HSPとADHDの掛け算:仕事の優先順位が立てられない時は?

ADHD

みなさまお疲れ様です。

おそらくこのブログを読んでくださる方は、発達障害のほかにもHSP(非常に繊細な人)の気質を持つ方が多いのではと勝手に想像しております。

HSPとは、Highly Sensitive Personの文字通り、通常の方よりもずっと五感が敏感で、その敏感さが原因で日常生活で生きにくさを感じている方のことを指します。

例えば、

・机の棚を閉める音や、荷物を置くときの力加減、「おはよう」の一言の声色など、ほんの些細なことで人の機嫌が分かる。

・理屈ではないがこの人なんか変、嫌な空気感があると思う時は大体正しい。

・うるさい音が苦手。

・相手の表情や雰囲気から情報を取ろうとしすぎたり、どう返すのがベストか考えるのにライアーゲームのような緊張感を強いられる。

・こういった強い刺激を受けまくり、仕事から帰宅すると疲れで爆睡してしまい、他のことが何もできない

 

…などなど、普通の人でもある程度は似たようなことはあると思いますが、HSPの方はその傾向が非常に強く、これらが強すぎるせいで疲れて動けなくなってしまうことがしばしばあります。

 

そして、この気質と組み合わさるとつらいのがADHDになります。まさに僕のことなんですが。

ADHDの最たる特徴として、複雑な仕事が立て込むと、優先順位がきちんと立てられずどんどん追い込まれていって、気づいたら大事な仕事まで期限ぎりぎりまで後回しにしてしまうことがあります。

 

銀行員時代はこの気質とADHDのおかげで地獄を見ました。

皆さんは銀行の融資係ってどんな仕事をするか想像つきますでしょうか?

実はお金を借りませんか?という得意先や新規回りは、業務のほんの一部に過ぎないのです。

銀行でADHD人にとって一番ヤバいのは、オフィスの中での仕事です。

まず、当たり前ですが誰にでも無制限にお金を貸せるわけではないので、自分の受け持っている取引先の格付け作業を行います。

格付け作業はマシンのようにただやればいいものではなく、取引先からお借りした決算書やそれに付随する科目明細(何にいくら使ったか、貸借対照表の細かい内訳)を見ながら、粉飾がないかを徹底的に確認します。

 

会計の入門書ではあまり書かれないことですが、中小企業だと軽度の粉飾は当たり前のようにあります。塩漬けになっているほぼ無価値の有価証券、役員向けの貸付や、返ってこないと想像できる借金はすべて不良資産と見なして純資産から差し引いていくのです。

決算書でこれですから、まだ試算途中の四半期決算書や、収支見込みなどは、もうやりたい放題です。飲食のチェーン店で赤自店舗を数字に含めていなかったり等、指摘しなければ何も訂正してこないので見落としがないようにしないといけません。

 

銀行にもその人の能力にもよりますし、担当が多ければ優秀というわけでは全くありませんが、僕はこんな感じの担当が約70先くらいありました。多い人だと100先、新規専門など特殊なセクションだと50先以下になることもあります。

決算期は企業によって違うので、毎月どこかしらの格付け作業があります。これは非常に責任の重大な作業で、今後の融資ができるかどうか、いくらまでなら大丈夫かの判断の基準になるので大きい企業だと何日も調べないといけない場合もあります。

特に海外現地法人を持っている会社だと、現地の会計ルールで書かれた、現地の文字で書いてある決算書を徴収します。これが中国やタイなど、複数になることもしばしばです。

それを翻訳して、日本の会計基準に修正した後で本体と合算しないといけなかったり、涙が出るほどややこしくなります。

 

↑この作業をしながらも、どんどん借り入れの相談や、借金が返せないという相談がきますし、お得意様の手形や小切手の回収に行かないといけないのです。

長々話してもあれですが、まだまだやらないといけないことがあります。

 

こんな状態では、優先順位が毎日更新されて入れ替わってしまうので、一度何かにつまづくとあっという間に未完成タスクがパンパンになります。

 

いまだから言えることですがHSP気質やADHDを持つ人たちは、複雑なタスクを抱えているとき優先順位付けにこだわりすぎない方がいいでしょう。

おそらく優先順位をつけることに時間をかけてしまい、実際には仕事が全く進んでいないという事態に陥ります。

 

ADHDの良さは、一点集中にならないと発揮されません。つまり、自分の中の優先順位がコロコロ入れ替わったり、一番も二番も三番も同じくらい大事!なんて考えていたらいつまでも仕事が終わらなくなってしまいます。

もし優先順位をつけるなら、本当に今やらないとやばい最も重要なタスク一個だけを選び、全力で取り組みましょう。

それで誠実にやってもどうしても無理なら、今のあなたの実力ではオーバーワークだということです。

もしオーバーワークだと感じたら、抱え込む前に上司に仕事量を減らしてもらいましょう。変に粘って期限切れになるくらいなら、はっきりできませんという勇気が大事です。

昔の僕にはこれが出来ませんでした。銀行は減点主義なので、ギブアップはイコール仕事できない、出世から遠ざかると本気で信じ込んでいました。

そして当時の上司が暴力野郎だったので、まともに相談することもできず、こっそり次長にどうしたらいいか助けてもらったりしている状態でした。

HSP気質の人間にとっては、毎度毎度機嫌悪そうにしている上司に話しかけるのは本当にしんどかったです。今思えばマネジメントする立場の人間が自分の感情もコントロールできないのかと笑ってしまいますが。

ま、そのクソ上司は転勤になったあとも部下に手を上げて、流血沙汰を起こしてクビになったらしいですが。大草原不可避m9(^Д^)プギャーwwwwwwwwwww

 

いまならもう少しうまく立ち回れたかもしれませんね。出世はできなくても、やりがいを感じることはできたかもしれません。

 

みなさんも優先順位をつけるという世間の常識にとらわれず、まず一個一個丁寧に片づけていきましょう。それでもダメなことを難癖付けてくる奴は、マネジメントが出来ないやつなんだから、ほっとけばいいですよ。

 

これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。

応援よろしくお願いいたします!


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