みなさまお疲れ様です。
今日はちょっと書くのに勇気が要ったのですが、ここ最近の風潮に疑問があるのであえて言及したいと思います。
よくSNSでASDの当事者と思われる方が、自分には特殊能力?のようなものがある、ということを発信してマウントの取り合いをしていることがあります。
その特殊能力が本当に優れたものなら分かるのですが、一般の方よりほんのちょっと記憶力がいいとか、模試で成績が良かったとか、厳しい言い方をすれば過去の栄光にしがみついている方が多いように思います。
もちろん、電話帳を一瞥しただけで隅から隅まで暗記出来たり、一切メモを取らなくても会議の内容を一字一句漏らさず書き起こせるような、周りの大人が放っておかない本物の特殊能力があるならば別ですが…
失礼ながら、それ以外の人がSNSとかで自慢?している能力は、社会で重宝されるレベルではないから今の状況があるわけです。
もしこういった発言に気分を害される方がいましたら申し訳ありません。しかし、僕が強く言いたいのはその後です。
ほとんどのASDの方の本当の武器は、生まれ持った特殊能力ではないと思うのです。中途半端な特殊能力なんて、本当に真剣に取り組んでいる人ならすぐ追いつけるようなわずかな違いでしかないんです。
ASDの方は常日頃から、他人にできて自分にできないという現実を何度も味わわされています。このブログを読んでくださっている方も、数えきれないほど悔しい思いをしたことと思います。
しかし、自分の微妙な特殊能力をどこかに発信してまき散らしたところで、現実は何も変わりません。どこからもスカウトされませんし、画面を閉じたらまた明日がやってきます。自己顕示欲がわずかばかり満たされるだけです。
僕自身当事者として、一番大切にしている武器を挙げるとしたら、
それは健全な自己否定の心です。
僕は普通の人の何倍も努力しなければ、普通のラインに立てないのだと常に言い聞かせています。精神的に余裕がないときは気持ち的に非常につらいですが、これが現実なんですよね。これ以上でもこれ以下でもないんです。単純に、障害ってそういうものですから。
誤解しないでほしいのは、ただ単にネガティブなのと、健全な自己否定の心は違うということです。
多分僕が文字で発信しても、これだけでは納得いかないだろうし響かないと思うので、ぜひ参考に視聴してもらいたい動画を上げます。
全体的にとてもいい話でぜひ最初から聞いてほしいですが、6分50秒あたりから今回の記事の内容とクロスオーバーする話が出ます。
人が簡単にできることでも自分がやったら大幅に時間が掛かってしまうこと、よくあります。
仕事でも、他の人ならメモなんか取らないような些細なことでも、自分はしっかり書いておかないと覚えておけないことが多々あります。
しかし、その必死の努力の結果、自分が人と同じラインに立てるようになったらすごくうれしいわけです。そしてその真面目に取り組む姿勢が評価されれば、今以上にもっと頑張ろうとさらなる改善点を見つけていけるのです。
そうやって現在の自分をさらに高めるための自己否定が、健全な自己否定です。
もし死ぬほど努力してもできないことなのであれば、もうそれは運が悪かったとあきらめがつきます。努力不足なのか、自分に合わないどうしようもないジャンルなのかは、健全な自己否定ができれば見分けがつくようになります。
こう説明すれば、ただ「俺なんてどうせなにもできやしない」と行動をしないただのネガティブとはまったく別物なのがわかってもらえるかと思います。
真剣に取り組んでいることが自分の生まれ持った特殊能力とかけ合わさったときに、初めてASD本来の爆発的な能力開花ができるのであって、何も行動しなければ人より優れた記憶力もまるで役に立ちません。
SNSは誰がどう使おうと自由ですし、気分が落ち込んだ時に誰かが慰めてくれるのは悪いことじゃありません。それで救われる方が大勢いるのは事実です。友達や家族に言えない愚痴を吐くのも全然ありだとは思います。
しかし自由度が高い分、使い方を間違えるとただの自己憐憫の道具になってしまい、自分自身を自覚なく傷つけてダメにしていく可能性があると思います。
自分がより前向きになれるか、それともさらにネガティブになっていくかは、いいねやコメントを残す他者だけではなく、発信する自分自身にかかっています。
以前、自己肯定感の取り戻し方について書きました。
今回は悪者とされがちな自己否定には2種類があって、必要なものもあるというお話でした。
これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。
応援よろしくお願いいたします!
コメント
こんにちは!
健全な自己否定という一見矛盾してるようなパワーワードで、自分について考え直させてくれる記事でした。
人がやらないことができるのはとても尊敬します。
仕事でも、メモをとりまくる人は仕事をきちんとこなす人が多いです。
貴重な考えをありがとうございました。
記事を読んでくださってありがとうございます。
自分ができないことに甘えずに、不器用でも頑張っている人って周りの人も理解してくれるようになると思うんですよね。
貴重だなんて言っていただけてこちらこそ光栄です。
これからもよろしくお願いいたします。