<第75回目>起立性調節障害についてより詳しく解説してみた

起立性調節障害 起立性調節障害

みなさまお疲れ様です。

前々回、発達障害とよく間違われる病気として、起立性調節障害を取り上げました。

この前はサクッと病気の分かりやすい部分の解説しかしていませんでしたので、今回はより詳しくお話します。

<参考><第73回目>発達障害と似た病気:起立性調節障害

なぜ複数回取り上げるかというと、この病気は発達障害、鬱、貧血、HSPなどと本当によく似た症状でありながら、血圧から具体的な数値として病気と判定できる数少ないものだからです。

また、自己診断が危険である理由も説明しますので、もし自分がそうなのかも?と思ったら必ず医療機関で診断を受けるようにしましょう。

 

起立性調節障害のチェックポイント

①立ち上がったときや、立っているときに気分が悪くなったり、失神することがある

②少し動くとドキドキする

③朝なかなか起きられず、午前中は調子が悪い

④立ちくらみ、めまいを起こしやすい

⑤入浴時、あるいは嫌なことを見聞きすると気分が悪くなる

⑥食欲がない

⑦顔色が悪い、青白い

⑧頭痛がある

⑨腹痛がある

➉乗り物に酔いやすい

⑪体がだるい、疲れやすい

まずこの11個の質問に対し、3つ以上の該当項目があることが前提になります。

おそらく僕のフォロワーさんはかなりの数の方が該当するんじゃないかと思います。

僕も頭痛や、慢性的な疲れやすさ、乗り物の酔いやすさは該当していたのでちょっと心配になりました。ただ、先に発達障害の診断を受けたことや、療育の成果で慢性的な疲れやすさはある程度克服できていたので、自分は多分この病気ではないかなと思います。

 

そして、

ここからさらに大きく分けて4つのサブタイプに枝分かれして、そのうちのどれかに該当した場合、起立性調節障害との診断が下りることになります。

ⅰ)起立直後性低血圧

・・・立ち上がったとき、血圧の低下が大きく、血圧の回復が遅れる

ⅱ)体位性頻脈症候群

・・・立っているときに血圧の低下は無いが、著しい心拍数の増加が起きる

ⅲ)神経調節性失神

・・・立っているときに突然血圧が低下し、意識が低下したり失神を起こしたりする

ⅳ)遷延性起立性血圧

・・・立ち上がってしばらくしてから血圧が著しく低下し、動悸や気分不良などを起こす

この4つのサブタイプは、新起立試験という検査方法によって判定します。10分間あおむけで安静状態になったあと、医師の指示で立ち上がって血圧がどう変化するかを測定してきます。

この病気でない人には想像つかないかもですが、急にあおむけから直立するとマジでぶっ倒れる人もいるので、緊急時支えられるように様子を見てくれる看護師さんが付きそう場合も多いようです。

学生の頃朝礼でぶっ倒れたことのある方や、急に立ち上がると視界がゆがんでへたり込んでしまった経験のある方はぜひ専門機関に相談してみましょう。

 

医師に相談する際の注意点

ただし、この病気で注意したほうがいいのは、起立性調節障害の症状を精神科に相談すると、かなりの確率で鬱病の診断を受けるということです。

鬱病の治療薬は、精神の安定を図るために血圧を下げたり、眠気を催すものが多いです。

それに対し起立性調節障害の治療薬は主に昇圧剤で、血圧を上げて午前中の低血圧に対処します。

 

似たような症状であるにも関わらず、全く逆の効果を持つ薬を処方される可能性があるので、注意したほうがいいでしょう。起立性調節障害の方が血圧を下げるような薬を飲むと、余計に午前中しんどくなってしまいます。

 

ちなみに、鬱病との表見的な違いを述べるとしたら、鬱病は夜になっても元気がなく、感情的に不安定で涙ぐんだりイライラすることがあり、重度だと希死念慮も発生します。

起立性調節障害は夕方あたりから血圧が安定してくるため、遅い時間になるにつれ元気を取り戻してきます。午前中の苦しかった時間は何だったんだろう?と本人も不思議に思うくらいのことが多いです。

もちろんそんな姿を咎められ続ければ、二次的に鬱病に移行することはあるかもしれませんが…

 

僕個人の考えでは、鬱病の診断を受ける前にこの病気の診断を受けたほうがいいように思います。冒頭に述べたように、起立性調節障害は特効薬こそないものの、治療の方向性は明確で、根性論やライフハック的な曖昧なものはいらないからです。

一方で鬱病は一度深刻化すると、投薬治療が逆に負のスパイラルを生み出すこともあるので、結構慎重に対処しないといけないと思います。周囲の理解を得ながらたっぷり休養を取る必要があるのですが、具体的な数値目標としてどこまで治ったかを確認するのが困難なんですよね。

 

HSP(非常に繊細な気質の持ち主)との関係もある?

起立性調節障害になる人は、傾向として以下のような特徴があります。

・幼いころから「いい子」が多い

・周囲に希望に沿うような行動を取りがち

・ストレスを溜めやすい性格

などがあげられ、HSPの気質の方とかなり近いように思われます。HSPの方も、仕事や人間関係から解放されて落ち着いてくると元気を取り戻すことがあるので、夜型になりやすいです。

これは完全に私見ですが、起立性調節障害の方は高確率でHSP気質ではないかと思います。少なくとも一般人の中にいるHSPの方の比率よりも高いと考えています。

 

自分でできる具体的な対処法は?

これは前々回少し書きましたが、適度な塩分、水分を行うことで結構マシになるようです。塩分を取ることで血圧を少し上げることが出来るので、起床したら塩分補給用のタブレットを一粒二粒食べるだけでだいぶ違うはずです。

 

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↑こういうやつね。安いので変な薬やサプリメントよりずっといいと思います。なんなら枕元に置いて、朝目が覚めたらすぐ舐められるようにしてもいいでしょう。

もちろん低血圧に対する対処法なので、血圧が正常値より高い方はやらないほうがいいかもしれません。(もっとも血圧が高い方はこの病気にはならないと思いますが…)

 

長くなりましたが、これからも発達障害と関係の深そうな病気についてもしっかり勉強してシェアしていきたいと思います。

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