<第80回目>発達障害とひきこもりの苦しみは似てる

部屋の隅に座る引きこもり 発達障害
部屋の隅に座る引きこもり

みなさまお疲れ様です。

今回は僕自身は当事者ではないですが、よく発達障害と関連付けられる引きこもりについてお話ししたいと思います。僕は親と仲が悪すぎて就職とともに実家をさっさと出てしまったので、引きこもりの方のことについて100%理解しているわけではありません。最初に銀行に就職したのも、全国転勤があり実家から強制的に出られるからでした。

 

しかし、やはりHSPの気質と根底の障害の部分が似通っているのか、友達で引きこもり経験者が多かったので、彼らの話してくれたことを元にこの記事を書いてみることにしました。僕は友人の親御さんとも仲が良かったので、ある程度客観的な視点は保てているかなと思います。

 

結論から言うと、発達障害や引きこもりの親族の方はかなり深い部分で共通していることがあります。

 

それは、子供をまともな人間に「矯正」しなければならないと考えていることです。

もしくは、いつか成長とともに良くなっていくだろうと悪い意味で楽観的になっているということです。

もちろん気持ちは分かるのですが、この二つの考えに決定的に欠けている視点があります。

それは、お子さんの視点です。

本人は何をしたいのか、何か主張したいことがあるのではないか?ということをほとんど把握せずに自分の考えばかり押し付けていることが本当に多いです。

 

引きこもりのお子さんと家族会議を開けば、

「今のままでいいと思ってるのか?」

「自分を雇ってくれる職場なんてないとか言ってるが、本当に探したのか?」

「学校にも行かず、働く気がないなら家から出ていけ」

などのセリフが必ず出てくるように思います。これらの質問や声掛けがなぜまずいかわかりますか?

 

すべてイエスかノーでしか答えられないんですよ。

しかも正論なので、何か言い返そうと思っても支離滅裂で感情的な言い訳しかできなくなります。これでは親御さんも、お子さんもお互いに話が通じないと感じてしまいます。

 

これが何度も繰り返されると、お子さんは「もうこの人たちに話してもムダだ」と完全にシャットアウトするようになってしまいます。この状態でこれからどうやって生きていくつもりなのか詰問しても、暴言を吐いたり、最悪の場合暴力を振るうようになります。

またよくありがちなのが、ショック療法のつもりなのか引きこもりの当事者の方がゲームに没頭していると、勝手にゲーム機を捨てたり、Wi-Fiの契約を解除したりする方もいます。それで状況がよくなるビジョンて見えますかね?

むしろ大暴れして警察のお世話になる確率の方がはるかに高いでしょう。こういった無茶なやり方の根底にあるのは、本人を矯正しなければならないという、周囲の人間の勝手な考えです。

発達障害の場合も同様です。僕らは生まれた時から障害があり、見た目は普通でも他の子供が当たり前にできることができません。その様子を見て怒鳴ったり、叩いたりして突然できるようになるでしょうか?そこに本人の「課題を克服したい」という意思の確認は無いんです。

当の子供自身が与えられた課題を本当にやり遂げたいと思っていないのに、無理にやらせたってそりゃ結果は明らかです。

学校に行けない引きこもり

話を戻しますが、もし引きこもりの当事者の方の行動を変えたいならば、まず答えが単語になるような質問の仕方をしたほうがいいでしょう。

「最近部屋の中で何のゲームをやってるんだ?」

「最近YouTubeでゲームの実況配信をやってる人がたくさんいるが、そのゲームを配信してる人はどのくらいいるのか?」

「実況配信に詳しくないが、ああいったチャンネルを作るにはどんな機材がいるんだ?」

・・・など、本当にどうでもいい話からでいいので、本人の好きなこととクロスさせながら答えやすい質問をしていけばいいと思います。

 

余りにも仲が悪くなっていると一言目からうるせーよ!!と言われるかもしれませんが、諦めずにコミュニケーションを取っていくしかありません。そこまでかたくなになってしまった責任は本人だけのものではありません。最初は会話が途切れがちになるかとは思いますが、まず本人が一言でも言いたいことが言える話し方をしたほうがいいでしょう。

 

 

また、本人を矯正しようとするのと同じくらい良くないのが、いつか働くだろうと楽観的に見て、本人に一切コミットしないことです。本人がどうしたいかという意思が明確に分からないのに放置するのが最良の手段とは思えません。

場所さえあればすぐにでも働きたいと思っているのか、鬱状態だからすぐには無理なのかなど、本人が心を開かなければ意思がわからず適切なフォローが出来ない訳です。

これは発達障害に置き換えても同じことが言えます。たしかにヒステリーを起こして子供を怒鳴ったり、無理やり学校に行かせたりするよりは静観したほうがマシですが、子供が隠しているトラブルに介入しなければ、遅かれ早かれいずれ前述のような状況になってしまいます。

 

引きこもりの当事者の方の半分くらいは、発達障害が疑われるそうです。二つとも、根底には結局自分は理解されないという強い怒りがあります。

なるべく早い段階で本人が何を考えているのかを冷静に聞く習慣をつけたほうが後々楽になりますよ。

これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。

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