みなさまお疲れ様です。
発達障害を抱えている方に結構多いのですが、
電話が苦手、もしくは日常会話で相手が何を言っているのか音量としては十分聞こえるが、内容が理解できないという方がいます。
余りにも聞き取れないので耳鼻科に行って相談しても、聴力そのものは悪くないことも多々あります。僕ももろに当てはまっているのですが、この状態を発達障害の観点から言うと聴覚鈍麻と呼んだりしています。
この症状メチャクチャつらいんです。街の耳鼻科に行っても「いや、聞こえてるはずです」と全く相手にされないし、職場で話しかけてくるひとには頭の回転が遅いのではとバカにされたり、ストレスがたまることが本当に多いです。
以前働いた職場で僕の聞こえの悪さをいつもイジッてくる奴がいて、どうしても我慢できずキレてしまったこともあります。ストレスがたまると余計に聞こえにくくなるので、本当に最悪でした。円形脱毛症になったり、朝動けなくなるなどの弊害が出て結局辞めざるを得ませんでした。
人によってはこのように人生プランが台無しになるレベルの苦しさにもかかわらず、あまりこの障害は知られていないようなので今回取り上げることにしました。
この「聞こえているけど、聞き取れない」症状は聴覚情報処理障害(APD)という障害として認知されるようになりました。
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↑あさ出版様の本です。あさ出版様にはBスポット治療といい、お世話になりっぱなしです。
この障害は厳密には耳の音伝達機能が悪いのではなく、脳の機能障害によって伝わってきた音をきちんと処理できないために起こります。この点がメジャーな難聴と大きく違うところです。
多くの方が受ける聴力検査は、音の高低と音量を聞き分ける「耳」の機能の検査なので、この障害があることが分からなければ、特に何もしてもらえません。
また、人間の本能には人込みや騒音の中で特定の音を自然に抽出する、カクテルパーティ効果というものがありますが、この障害を持つ方はそれがうまく機能していないと言われています。
APDは、発達障害を持つ人が定型発達の人より多く発症していることも報告されていますが、今はまだ両者に因果関係があるとか、確定的なことは分かっていません。
ADHD(注意欠陥多動性障害)でも、自分の意志で注意を一つのことに向けるのが難しいため、聞き取りが難しい事態が起こるので、誤診や混同されている可能性もあります。
まだ特効薬やこの障害の克服に使えるサプリメントなどはありません。脳の機能の障害なので、発達障害と同じく「完治」という概念はないのかもしれません。
なので、どうしてもライフハック的なものを自分なりに作っていくしかないんですよね。
当事者として僕が実践していることを挙げますね。
①電話や営業活動など苦手なことをやらなくていい職場を選ぶ
以前も何回かブログで言及しましたが、アルバイトや就職をするときは、自分の得意なことではなく、自分の短所が表出しないような職場を選ぶべきと言いました。
また、自分の得意なことを仕事にしよう!という話をたまに聞きますが、僕はお勧めしません。自分の得意だと思っていることなんて、世の中にはもっとすごい人がいくらでもいるもんです。飯を食っていけるほどの得意というのは、せめて県でトップクラスとか、相当な実力でなければ世間で求められるレベルとは言えません。
自分がどれだけ努力しても向き不向きの問題で克服しようがないものもありますので、苦手なことをやらなくていい職場を選ぶべきです。まさかとは思いますが、APDでコールセンターなんてやったらマジでストレスで死にますよ?よく話す人の声さえ聞き取りづらいのに、初めてしゃべる人の声なんて聞き取れるわけがありません。
もしどうしても電話対応をしなければならないのなら、あらかじめ電話がかかってきそうな取引先リストと、担当者をリストアップしておき、電話のそばに置いておくなど相手の名前が一部聞き取れなくてもヒントになるような資料を置いておくなど、工夫をしてみましょう。
②かっこ悪くてもひたすらメモする
ライフハックというにはあまりにも地味ですが、仕事でメモをするのは重要です。もし内容が飛んでしまって書きとれなかったら、信頼できる同僚か上司に「ここ何て言ってました?」と聞いて補完するのがいいでしょう。耳に頼ったいい加減な記憶でメチャクチャなことをするよりは、不器用でも一生懸命メモして質問してくる人の方がよほど好印象なはずです。
定型発達とか、発達障害関係なく、普段の仕事に取り組む姿勢というのは非常に重要です。仕事が覚えられるようになる前にできないからとヘンにスネたり、態度に出すのは最悪です。発達障害だからといって、教えてもらうことに感謝できないようだと、いつまでたっても仕事ができるようになりません。
周りと比べると自分の理解が遅くて、ほとほと嫌になることがあると思いますが、絶対にめげないでください。周りから要領の悪い奴だとか、いろいろ思われたって構わないのです。とにかく、自分のできることを前向きにやっていくしかありません。
③周囲の理解を得る(どうしても無理なことは無理と言う)
これは②が習慣づいてからの話ですが、メモをしたり、自分にできる努力をしてもダメなことは周囲に正直に話したほうがいいです。できないことがある度にいつもふてくされたりしていたら真剣に取り合ってもらえませんが、本人が頑張っている姿を見せられていたら理解してくれるはずです。僕も最低限の電話しか出なくていいように席を変えてもらえましたし、そんな状態でも昇格の話を頂くことができました。(人材のマネジメントが無理なので断りましたが(;^ω^))
どうでしょうか?超当たり前の内容ばかりで申し訳ないのですが、意外と実践してる人少ないのではないでしょうか?あまりにも職場でうまくいかないんだとしたら、職場選びから間違っているかもしれませんよ?
僕は発達障害のことを言わずに一般企業で働いています。これからもそうしていく予定です。そうすることでしか見えてこないことがあると思うんですよね。発達障害やその他の精神疾患の当事者の方にとって、少しでも参考にしてもらえるように、人生使って、体使って壮大な実験をしていきたいと思います。
これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。
応援よろしくお願いいたします!
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