<第97回目>自分のメンタルの状態を知る

ポーカーのメンタルコントロール メンタルヘルス

みなさまお疲れ様です。

今、皆さんは怒っていますか?それともボーっとしていますか?集中していますか?

・・・冷静ですか?

今の自分の感情の状態を正確に知ることが出来るということは、自分を客観的に見ることが出来ているということです。もし怒り心頭だったら、「あぁ、自分は今とてもイライラしているな。血圧は140を超えているだろう。」とか考えないですよね。すぐ相手を怒鳴ったり、物に当たり散らす人もいますね。

そして感情のコントロールを失ったとき、人は何かしら大切なものを失います。解放した感情が大きければ大きいほど、失うものも大きくなります。たとえば、電車が遅延したことにイラついて駅員さんを殴ってしまう人とか、道ですれ違って肩が当たっただけで相手を死ぬまで殴ってしまう人もいます。

感情を爆発させてしまうサラリーマン

上記はもちろん極端な例ですが、職場で怒りを抑えられず他人に当たってしまい、同僚から避けられる人は大勢います。少し前の僕もそうでした。仕事が多少まともにできるようになり自分の意見を言えるようになったら、今度は納得がいかないと正論ばかり言って周囲の人を困らせてしまうこともありました。

こういった状態の時、人は自分の正しさを証明することに必死になってしまい、自分の感情が今どういう状態なのかを正確に把握できなくなっています。というより、把握しようとすらしていないでしょう。

これを乗り越えるには一体どうやったらいいか、一時期すごく悩んだことがあります。

練習しようがないということ(仕事場は練習ではなく本番なので、失敗できない)、数字で達成感が分からないことなどから、しばらく途方に暮れていました。本屋でメンタルヘルス系の本を読んでも、反芻思考を完全に抑えることを主眼に置いたものはないし、パニック障害の克服本に書いてあることは自分で先に気づいてやったことしか書いてありませんでした。

いっそのこと、全く違うジャンルの勉強をしてみようと思ったので、心理ゲームの棚を覗いてみました。

 

皆さんはポーカーをご存知でしょうか?

トランプのゲームで、手元に配られた2枚のカードと、テーブルに置かれていく3枚のカードを使って役の強さを競い合うものです。世界的に人気のあるゲームであり、WSOP(ワールドシリーズオブポーカー:世界大会)では1位の賞金が10億円(!!!)というとてつもない規模の競技となっています。

なぜこんなに人気があるかという理由ですが、ポーカーは不完全情報ゲームです。将棋やチェスのように盤上に相手の手のすべてがあるわけではありません。各プレイヤーに配られるカードとテーブルに置かれる3枚はどうやっても予測しようがありません。対戦相手の表情や賭け方、挙動などから自分より強いか弱いかを推測して、より大きく賭けるか降りるかを判断しないといけないのです。

運の要素、相手のブラフを見抜く経験と、正確に期待値を計算する知性がバランスよく整っていないと勝てないという、まさに冷静さこそが勝利の要のゲームと言えるでしょう。

一流同士だと、配られたカードはクソでもブラフで相手を降ろしてしまうことがザラにあります。要は自分の手札は強いとうそぶいて、相手を疑心暗鬼に陥れて先に降参させてしまうのです。いかに自分の本当のリアクションを隠して、相手をコントロールするかの戦いになるわけです。

 

この人たちがやっている感情をコントロールする方法を学べば、実生活にいかせるかもしれないと思い、思わず買ってしまいました。

ザ メンタル ゲーム ──ポーカーで必要なアクション、思考、感情を認識するためのスキル

ポーカーでは、負けが込んだり、挑発に負けてブラフに飲まれてしまったときの状態を「ティルト」と呼んでいます。英語でTiltは傾きのことです。まさに感情がぐらつき、怒りに傾いている状況を指しているわけです。

ポーカープレイヤーは常に自分の感情をモニタリングし、顔に動揺が出ないように訓練しなければなりません。怒りに飲まれた状態をティルトという、いわば一種の「ステータス異常」の状態として認識しているんですね。(RPGで言ったらバーサクとか、ポイズンとかと同じ)そうすることで、今は自分はティルトなんだと理解できるので、より早く冷静な状態に戻す努力ができるわけです。

この本では、ティルトの克服のためだけに140ページも割いて詳しく解説しています。それほど感情のコントロールは奥が深いということですね。ポーカーの解説書なので、引き合いに出される例は当然ポーカーなのですが、ルールだけ軽く知ってれば理解できるかと思います。

人生に置き換えて読めばかなりいい本だと思いますよ。ティルト以外にも感情について詳しく触れていて分厚いので、すべての解説は控えますが、読んで損はないでしょう。最近の自己啓発本が生ぬるい耳障りのいいものばかりで、全く役に立たないと気づいちゃった方はこちらの方が100倍勉強になります。

 

 

( ^ω^)・・・とはいえね、

超一流のサッカー選手ですら、相手のファールにキレて頭突きしたり、試合中にチームメイトと衝突することがあります。テニスでは断トツで日本人最強の錦織圭選手ですら、自分のプレーに納得できないフラストレーションからラケットを折ってしまうことがありました。

元メジャーリーガーのレジェンド、イチローさんですらプレーに納得できずバットを投げてしまい、製作者に謝罪したエピソードがあるくらいです。自分の手足のように大切に道具を扱うことで有名なあのイチローさんがですよ?

こういう姿を見ていると、メンタルのコントロールは本当に難しいのだなと痛感させられます。大金をかけてメンタル専門のコーチがいても、こういうことになるのですから。

僕らは一流コーチを雇うお金もないですし、ぶっちゃけその辺でコーチを名乗り出る奴は大したことない人間が多いです。時には自分一人で考えながら体当たりで経験するのも必要です。

失敗することもたくさんありますが、指針が何もないまま突き進むより、判断のよりどころとなるものがあった方がいいでしょう。感情をコントロールするガイドラインとして今回の本は非常に役に立つと思います。もしよければ参考にしてください。

これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。

応援よろしくお願いいたします!


発達障害ランキング

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村


コメント

タイトルとURLをコピーしました